こんにちは、たつです。
いきなりですが「働き方改革」ってなに?
2019年の4月から法案の一部が施行されるこの働き方改革。残業時間の上限が設けられる、有給休暇取得義務化、フレックス制の変化などがすぐに導入されることになります。
ぶっちゃけ「自分の会社にはあまり関係ないんじゃないの?」とか「うちは中小企業だから、どうせ無理な話」と思っている人も多いんじゃないでしょうか。
でも有給休暇を絶対に取れる!となれば少しは興味も湧くものです。
これから長期的に色んな関連法案が施行されていく「働き方改革」。首相官邸ホームページや厚労省のホームページにはやたらと詳しく今までの経緯とか、これからどうしていくかとか載っているのですが・・・。
いっぱい情報がありすぎでしょ!もっと端的にわかりやすくまとめてよ!
僕はこんなふうに思っちゃいました。
だって実際にリンクする記事はめちゃくちゃ多いし、情報量自体が多いしで理解していくのにも時間がかかりそう。そもそも読みたくないw
ということでこの記事で「働き方改革とは?」をわかりやすくまとめてみました。
働き方改革ってなんなの?
働き方改革をしないといけない理由は?
働き方改革はいつから始まるの?
改革前と改革後で何が変わるの?
これらのポイントを、小学生でも分かるような言葉で出来るだけ分かりやすく書いていきます!
働き方改革とは?
「働き方改革」とは?一体どういう意味なのか。まずはそこから明らかにしていきましょう。
これは「働き方改革」という言葉そのまんまの意味です。つまり「今の働き方を変えていきましょう!」というもの。
2016年から安倍首相が先導して言ってきたこの「働き方改革」。首相官邸HPではこのように示されています。↓
働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。
多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。
と書かれていますが、これってつまりどういうこと??
この文章の中のポイントだけ抜き出してみると
- 一億総活躍社会
- 多用な働き方
- 中間層の厚みを増し
- チャレンジ
個人的にはこの4点が引っかかったのでピックアップしてみました。
一億総活躍社会
一億総活躍社会ってなに?
この言葉の中でも「活躍」というのが分かりにくい。
たとえば「社会で活躍する人」と聞くと、どういう人を思い浮かべますか?会社でバリバリ働いたり、出産した女性が働いたりといったことを想像すると思います。
ですが、ここでは「活躍=社会の中の一員として生活を送ること」に当てはまります。
若者から高齢者、男性、女性、障害者、前科者、などなど社会から排除する人を作らずに、みんなが生きがいを感じながら過ごす社会のことを指します。
そして「一億」という数字は、そんな生きがいを感じながら過ごす人々をもっと増やしていこうよ!という意味です。
多用な働き方
「多用な働き方」にはどのような意味があるのでしょう?
これはすっごく簡単にいうと「昔からある当たり前の働き方を変えていこう」という事。
昔からある当たり前の働き方っていうのはいわゆるこんな感じ
平日働いて、土日を休む。
9時〜18時勤務で昼休憩1時間。
残業するのは普通。
新卒で雇用され、年功序列で給料が上がっていく
定年までその会社で働く
公務員みたいな働き方ってことです。
ここに関してはすでに色んな業種の色んな所で変わってきていますよね。
実際にこのように働いている人はどんどん少なくなってきていて、もっとフレキシブルに動いている人がたくさんいます。
よく言われている多用な働き方には
- フレックス制
- 在宅ワーク
- 副業・兼業
- 育児や介護をしながらの就業
- パラレルワーク
こういったものがあります。
この「多用な働き方」と「一億総活躍社会」を合わせると・・・
今まで働きに出られなかった人にも活躍の場を与え、その人その人の能力を引き出し、生きがいを感じて仕事をしてもらう人を増やしていく。
僕はこう思いますね。
中間層の厚みを増し
「中間層の厚みを増し」ってなに??一番分かりにくいんじゃない?
まずは「中間層」と比べられる言葉があるので、そちらも出さないと分かりにくいです。
基準は、ぶっちゃけるとお金です。お金持ちは「富裕層」。貧乏な人は「下流層」
年収でざっくり分けると
下流層・・・年収300万円以下(35%)
中間層・・・年収300万〜800万円(45%)
富裕層・・・年収800万円以上(20%)
ここでいう「中間層の厚みを増し」というのは、現在45%ほどの人が当てはまる「中間層」の割合をもっと増やすということ。
一言で言うと
「普通の暮らしをしている人を増やす」
ってことです。
貧乏で困っているような人を一人でも少なくしていこうよということ。
これって全体的な給料の底上げが出来ないと難しいし、ちゃんと仕事につける人も増やしていかないといけない。
「一億総活躍社会」と「多用な働き方」を進めていくことでこの点も解決しちゃおう!と。
もしこれが実現すると、日本経済全体が底上げされるってことですから、もっといい世の中になりそうな気はします。
チャレンジ
最後にこの言葉「チャレンジ」文字通り「挑戦する」という意味です。
安倍首相は「働き方改革は最大のチャレンジ」だと言っているんです。
なかなか無責任な言葉だと思いませんか?w結果を約束していない不安みたいなものがありますもんね。
これは今まで見てきたとおり
- 一億総活躍社会
- 多用な働き方
- 中間層の厚みを増し
これを実現すべく努力していくってことです。
冷静に考えて、この3点を達成するのってめちゃくちゃ難しいと思いませんか?
働くひとの間口を広げ、よりたくさんの人が職にありつける。さらに生きがいを感じて暮らしていける。給料もあがる。まぁ理想ですよねw
この「チャレンジ」に「働き方改革」の全てが表れているように僕は思います。
「働き方改革」はこれまでの「普通」「常識」をぶち破り、難しいけど日本の未来のために上述の3点を達成しよう!ということです。
ここで一つ疑問が出てきます。
チャンレンジということは失敗するリスクもある、と僕は思っています。大きな課題だからこそ、リーダーを安倍首相にしたってことなんでしょうけども・・・。
「そもそも働き方改革をする理由ってなんなの?」リスクを負ってチャレンジしてでもやらなければいけないことなんですか??
働き方改革をする理由は?
安倍首相、チャレンジとか言っちゃって大丈夫なの?なんでリスクを負うようなことを、総理大臣がしようとするの?
これにはそれだけの理由があるからなんですよね。
働き方改革をする理由は、労働人口の減少に備えるため
労働人口が減少しているのは今の日本の事実です。少子高齢化社会と言われ、これから65歳以上の高齢者の割合がどんどん増えていくことになります。
もうすぐ日本の人口は1年で100万人ずつ減ることになります。100万人ですよ?一年ごとに都道府県が一個ずつ無くなっていくような感覚です。
ではなぜ労働人口の減少に備える必要があるのか?
其の理由をここでは
「少子高齢化→労働人口の減少→働き方の効率化」の順で解説していきます。
少子高齢化の未来
現在の日本の総人口は約1億2000万人。
女性が生涯に生む子供の数は約1.4人(2018年)
2008年には日本の人口が初めて「減少」に転じ、そこから徐々に減ってきています。
このままの状態が進むとどうなるのか。そうですね、少子高齢化になります。
つまり14歳以下の子供が少なくなり、65歳以上の高齢者が増えることになるのです。
しかも人口というのは一回減りだすと、加速度的に進んでいってしまうそうで歯止めが効かなくなる恐れが・・・。
子供が減るということは、子供を生む女性も減っていくことになるので、結果的に日本全体の人口が減ってしまうんですね。
そして少子高齢化が進んでいった未来はどうなるのか?
- 約30年後の2050年には、日本の人口は1億人を切る
- 約80年後の2100年には、日本の人口は5000万人を切る
このような統計が出ています。
労働人口の減少
少子高齢化の未来には、人口減少が待っていることが分かりました。
人口が少ないのに加えて、65歳以上の高齢者の割合も今よりもっと多い、となれば働く若者世代がめちゃくちゃ少なくなるということ。
働く若者世代が少なくなると、税金が減ることになります。
これってすごく大きな問題で、税金で社会が回らなくなる可能性が出てきます。そのさきにはさらに税金を上げる未来が待っているということに・・・。
消費税10%でも高いと思っているのに、さらに増えていったら生活は苦しくなる一方ですよね。
高齢者の年金を払う若年層が少なくなるわけですから、年金支給も無くなる可能性も。
若者も高齢者もどうやって暮らしていけばいいんでしょうか・・・。
働き方の効率化
労働人口の減少への対策として「働き方の効率化」が求められます。
労働人口が減っていくと、自然と日本全体の仕事量も減っていきます。それが極まってくると「日本の消滅」も考えられる?!というわけです。
労働人口減少
↓
お金に替えられる価値の減少(GDPの減少)
↓
日本の衰退
このように日本が衰退してしまってからでは対策もなにもないです。なのでそうなると予想できる今の段階から、なにかしら対策を取っていく必要があります。
その中の一つに、「働き方の効率化」があるのです。
「働き方改革」はこの「働き方の効率化」をメインの焦点にして計画されています。
この図のように、「少子高齢化」の円は一番大きく難しい日本の課題です。
そこから手を付けるのではなく、まずは身近な「働き方の効率化」という円を見て、そこを変えていこうよ、ってことですね。
「働き方の効率化」を実現した先に「労働人口減少緩和」。これは働き方が効率化されることで、仕事量が少なくても生産性を上げられる状態にする。
分かりやすく言うと、少人数で生産性を高める。今までと同じ仕事量を「少人数」で行うことができれば、結果として労働人口の減少を抑えていることになります。
働きやすい・効率化の先には、女性が子供を産んだあとも仕事を続けやすい環境が出来ていくことでしょう。
労働人口の減少問題を解決した先に「少子高齢化の緩和」という壮大な目標が、「働き方改革」には設定されいると思うのです。
こうやってみると安倍首相の「チャレンジ発言」も分かってきます。一番小さい円の「働き方の効率化」もかなり難しい問題なんですけどね・・・。
働き方改革はいつから始まる?
働き方改革でまずは働き方の効率化を実現していくのですが、2019年4月からその「効率化」が一部始まります!
大事な所をまとめると
時間外労働の上限規制→2019年4月〜
有給取得義務化→2019年4月〜
勤務間インターバル制度→2019年4月〜
同一労働同一賃金の義務化→2020年4月〜(大企業)
同一労働同一賃金の義務化→2021年4月〜(中小企業)
4月ってもうすぐじゃん・・・。
ってことは3月までと4月以降でもうすぐにでも変わる点があるってことですね。
改革前と改革後で何が変わるの?
以下4点について、改革前と改革後で何が変わるのかまとめてみました。
時間外労働の上限規制→2019年4月〜
有給取得義務化→2019年4月〜
勤務間インターバル制度→2019年4月〜
同一労働同一賃金の義務化→2020年4月〜(大企業)
同一労働同一賃金の義務化→2021年4月〜(中小企業)
時間外労働の上限
改正前:月45時間、年360時間(行政指導)
改正後:月45時間、年360時間(法律)
これが基本ですが、1年のうちの半分(6ヶ月)は今まで時間外労働の上限がありませんでした。
なのでもう一つ図が必要になります。
改正前:6ヶ月間は時間外労働の上限なし
改正後:6ヶ月間まで複数月平均80時間、単月100時間未満、年720時間まで
年720時間ってイメージしにくいですが、出勤日全てが2.5時間〜3時間残業くらいの数字です。毎日これだけの残業ってかなり多い気もしますが、今までは上限なしだったのでちゃんと数字で上限が決まりました。
有給取得義務化
改正前:有給はあってないようなもの(個人によりますが)
改正後:年5日間は取得する義務が発生する
これって会社勤めをしている人全てに身近に関わってくるところなので、めっちゃ気になりますよね。
詳しくは、10日以上の有給休暇を持っている人に該当します。
年度終わりで一気に5日間取得するというのも無理が出そうですから、年度初めから計画的に進めていきたいですね。
勤務間インターバル制度
こちらは働き方改革の関連法案が出てくるまでは一切話題のなかった点です。
簡単にいえば、前日の退勤時間から、一定の間を空けて出勤してくださいよってことです。
前日は遅番、次の日は早番だと寝る時間も無くてキツイですからね・・・。
働き方改革の関連法案では、この勤務間インターバルが8時間〜12時間に設定されています。
同一労働同一賃金の義務化
たとえば、正社員と契約社員が同じ内容の仕事をするとします。
そうしたら待遇も同じでなければいけません。これって今までそうじゃないのが普通だったので、気づきにくい点です。
でも指摘されると当たり前のこと?と思うくらいふつーのことですよね。
こちらに関しては厚労省がアニメで分かりやすく説明しているので、それを参考にするのが一番分かりやすいです。
まとめ
働き方改革とは?をわかりやすくまとめてみました。
具体的にどういうことなん?という所はかなり煩雑になるので省いています。
この働き方改革を成功させるためのポイントって、いかに働くひと全員が「働き方改革」の意義みたいなものを理解しているか。が重要だと思うんです。
会社でいえば特に管理職より上の役職の方たちの理解度や、本気度によって達成度も違ってくるんじゃないですかね。
制度をしっかり決めても、わからない所でちょんぼしてたんじゃ意味がありません。課題の大きさを理解しつつ、協力体勢で進めていくのが一番ですね。
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